ASD・ADHD夫の服薬リアル。インチュニブとリスペリドン、効果と生きづらさ

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うちの夫は、ADHD+ASDです。

前回、夫の「忘れ物の多さ」について書きました。
今日はもう少し踏み込んで、夫の生きづらさと、お薬のことを書こうと思います。

※はじめにお伝えしておくと、これは「わが家の場合」の体験談です。お薬の効き方や処方は人それぞれなので、参考程度に読んでいただき、実際のことは必ず主治医にご相談くださいね。


「目的のものを、取りに行けない」

夫を見ていて、いまだに不思議なエピソードがあります。

たとえば、こんな感じです。

1階のリビングで、「今日はサングラスが必要だから、2階に取りに行かないと」と気づく。
2階に上がる途中、観葉植物が目に入る。
「そうだ、水やりしないと」と、水やりを始める。
そのうちに「今日は夜寒くなりそうだから、上着を持っていこう」と思いつく。
上着を持って、1階に降りてくる。

——そう、見事にサングラスを忘れている。

「くそー!」と言いながら、また2階へ。
でも、また途中で別のことに気を取られて、同じことを繰り返す。
どうしても、目的のものにたどり着けない。

嘘みたいな話ですが、これがわが家では日常茶飯事です。

家を出発したあとも同じで、何度も忘れ物に気づいて家に戻ってくる。
昔は、遅刻しそうなのに大事なものを何個も忘れて、一日に2〜3回、出ては戻りを繰り返していました。


ADHDのお薬(インチュニブ)のこと

今、夫はADHDの衝動性を抑えるお薬(インチュニブ)を飲んでいます。

正直に言うと、飲んだら劇的に改善する、というわけではありません。
忘れ物がゼロになるわけでも、別人になるわけでもない。

でも、飲み忘れたときの違いははっきり分かるんです。

飲み忘れると、衝動性が抑えられなくなって、怒りっぽくなる。
私も「あ、今週飲んでないな」と気づくし、夫自身も「今週飲んでないから、不安定なのかな」と、ぽろっと口にしていることがあります。

劇的じゃないけれど、確かに「土台を支えてくれている」感じ。それがお薬なのかな、と思っています。


実は、主に困っているのはASDのほう

「忘れ物が多い」と聞くと、ADHDで困っていそうに見えますよね。

でも、夫が本当に困っているのは、主にASDのほうなんです。

そのため、リスペリドンというお薬も服用しています。
(これはASDそのものを治す薬ではなくて、どちらかというと、イライラや衝動性を抑えるためのものだと理解しています。)

調べてみて分かったのですが、ASDの特性そのものに効く薬は、今のところありません。
ASDに伴って出てくる症状——イライラ、不安、衝動性など——を和らげるお薬を使う、というのが一般的なようです。


「正しさ」にこだわる、という生きづらさ

夫のASDの特性で、一番大変そうなのが——「正しいこと」への強いこだわりです。

世の中って、理不尽なことが多いですよね。
「まあ、仕方ないよね」「本当はそうだけど、こういうものだよね」と、みんなどこかで妥協して生きている。

でも、夫はそれができない。
正しくないことを「仕方ない」と飲み込むのが、どうしても気持ち悪いんだそうです。

家庭でもそうでした。
私や子どもたちの「なあなあな部分」が気に入らなくて、強い口調で責めることもよくありました。

冷静になれば、その言い方はよくない。でも、夫の言ってる「正しさ」自体は、正しいことも多いんです。
だから、よけいに難しい。


「正しくても、言わない方がいい時がある」

最近、夫が少しずつ理解してきたことがあります。

「世の中の風潮的には、正しくても、正しいと言わない方が正しい時もある」

これ、ASDの夫にとっては、ものすごく気持ちが悪い考え方なんだそうです。
正しいなら正しいと言いたい。なのに、言わない方がいいなんて、矛盾している。

でも、その「気持ち悪さ」を抱えたまま、それでも理解しようとしている。
気持ちと折り合いをつけながら、社会の中で生きていこうとしている。

その姿を見ていると、夫はきっと、すごく生きづらいんだろうなと思います。

私たちが当たり前に「スルー」していることを、夫は一つひとつ、気持ち悪さと戦いながら飲み込んでいる。
それって、本当に大変なことだと思うんです。


まとめ:薬も、理解も、折り合いをつけるための道具

ADHDのお薬は、土台を支えてくれる。
ASDの特性は、薬では変えられないけれど、本人が必死に折り合いをつけようとしている。

夫を見ていて思うのは、「治す」んじゃなくて「折り合いをつける」んだな、ということ。

お薬の力も借りて、まわりの理解も借りて、本人の努力もあって。
そうやって少しずつ、この理不尽な世の中と、なんとか折り合いをつけていく。

完璧じゃなくていい。
生きづらさを抱えながらも、その人なりのペースで生きていけたら、それでいい。

同じように、パートナーや自分自身の発達特性と向き合っている方に、少しでも届けばうれしいです。

※お薬については、わが家の体験を書いたものです。服用や変更については、必ず主治医にご相談ください。

(ASDとADHD、両方あるとどんな感じかは、こちらの記事に書いています。)


うちの凸凹家族、今日もなんとかなってます。

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