夫が義両親にプレゼントを選ばない理由

発達障害

夫の両親の誕生日が近づくたびに、わが家では同じやりとりがくり返されていました。「そろそろ誕生日だよ、プレゼント考えてね」と私が言う。夫は「うん」と答えるけれど、いつまでたっても用意する気配がない。結局、何も渡さないまま誕生日が過ぎていく。そんなことが、何回もありました。

先日、思い切って「なんで選ばないの?」と夫に聞いてみたところ、意外な答えが返ってきました。今日は、その話を書いてみようと思います。(夫はASD・ADHDの診断があります。ただ、これはあくまで「わが家の夫の場合」の話です)

義両親の誕生日に、プレゼントを選ばない夫

義両親は、夫や私、孫たちの誕生日やイベントのたびに、いつもプレゼントをくださる方たちです。だから私は、「いただいているのだから、義両親の誕生日もちゃんとお祝いしたほうがいいよね」と思っていました。

そこで、毎回私のほうから「そろそろ義実家の誕生日だから、プレゼントを考えてね」と夫に声をかけていました。でも、夫がプレゼントを用意する姿は一向に見えず、私は毎回やきもきしていました。

夫の答えは「ほしくないものをもらうと、しんどい」

理由を聞いた私に、夫はこう話してくれました。

自分は、ほしくもないプレゼントをもらうと、うれしくない。それどころか、「そんなうれしくないものに、お金が使われてしまった」と思ってしまい、もったいなくて、しんどくなる。義両親にほしいものを聞いても、「ない」と言われる。ほしくないときに無理やり選んだプレゼントは、自分がしんどいから、人にもあげたくない。

「プレゼントは、物より、選んでくれた時間がうれしいものだよ」とよく言いますよね。私もそれが普通の感覚だと思っていたので、最初は夫の言っていることが、正直よく理解できませんでした。

でも、夫にとっては、選んでくれた時間よりも、「相手に無駄なお金を使わせてしまったこと」のほうが、つらいのだそうです。そして、自分がつらいと感じることを、相手にもしたくない。そういうことか、と、そこでようやく納得しました。

結婚前から、ずっとそうだった

思い返してみると、夫のこの考え方は、結婚前からずっと変わっていません。

結婚前、夫へのプレゼントをとても悩んで選んだことがあります。でも、渡したときに、「ごめんね、これはいらないかな。返品しておいで」と言われて、何度もショックを受けました。夫は、私に対してだけでなく、義理の母など、特に近しい人にも、同じように反応していました。

ちなみに、友達や仕事関係の方からのいただきものは、ありがたく受け取っていたようです。プレゼントを返したり、断ったりすることが、相手を傷つけるおそれがある、ということは、夫も理解しているのだと思います。でも、身近な人には、「いらないものはいらない」と、正直に出してしまう。

若いころの私は、これを「自分が拒絶されたんだ」と受け取って、ショックを受けていました。でも、夫の話をよく聞いてみたら、そうではありませんでした。その言葉の裏には、「ほしくないものにお金を使って、損をしてほしくない」という気持ちが、隠れていたのです。それを知ってからは、あのときの出来事も、受け止め方が変わりました。

わが家で変えたこと

夫の考え方を理解してから、わが家では、次のように変えました。

夫婦の間では、誕生日だからプレゼントをあげる、ということをやめました。その代わりに、夫がほしいものができたときに、そのときに買ってもらうことにしました。

義両親の誕生日は、「物」ではなく「食事」にしました。義両親にほしいものを聞いても、「ない」と言われてしまうので、「みんなで楽しい時間を過ごそう」という方向に切り替えて、食事のプレゼントにしました。物が残らないので、夫にとっても、「いらないものにお金を使わせた」という気持ちになりにくいようです。

夫に伝えていること

ただ、夫の理由をちゃんと聞いて、お互いを理解しようとする関係がなければ、「いらないものはいらない」という夫の言動は、一方的で、乱暴に受け取られてしまうと思います。

そのため、夫には、こんなふうに伝えています。

「その言い方は、きつく受け取られてしまうかもしれないよ」「誕生日のプレゼントは、選んでくれたこと自体がうれしい、と感じる人もいるよ」。そして、「お祝いしてもいいか、何がほしいか、一度は相手に聞いてみて、ゆだねてみるのはどうかな」と提案しています。

夫の考え方を、「間違っている」と否定するわけではありません。でも、相手の受け取り方が違うこともある、ということは、夫にも知っておいてほしい。そう思って、少しずつ話しています。

まとめ

夫がプレゼントを選ばなかったのは、気持ちがないからでも、面倒だったからでもなく、「ほしくないものにお金を使わせたくない」という、夫なりの思いやりからでした。(もちろん、これはわが家の夫の場合で、すべての発達障害の方に当てはまるわけではありません)

「どうしてこんな行動をするんだろう」と思ったときは、責める前に、理由を一度聞いてみる。そうすると、意外な答えが返ってくることがあります。「うちの夫もそうかも」と思った方の、何かのヒントになればうれしいです。

うちの凸凹家族、今日もなんとかなってます。

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